追憶 – TORTOISE NIGHT RELAY

オリエンティア Advent Calendar 2016 25日目

発起人としてトリを務めさせていただきます。

私はここ2年くらい大会運営がマイブームになっていまして、つい先日も所属しているトータスでナイトOのリレー大会を主催しました。ちなみに、それまでの大会でもTwitterハッシュタグをつけると会場のスクリーンに移るようにしたり、選手権者全員の顔写真と実績が載ったプロファイルを公開したり、色々と遊んでいます。

要は独自性のある大会を創り上げることが好きなわけです。

 

今回はTORTOISE NIGHT RELAYについて書かせていただきます。

ご存知の方もいるかと思いますが、この大会は大雨のため中止にしました。結構な自信作だったのですが、開催もされず誰の記憶にも残らずに消えていくのは悲しいと思い、テーマに選んだ次第です。コース設定から演出まで一通り書いていきます。裏話というより備忘録の色合いが強くなりますがご了承ください。

www.tortoise.jp

 

コース設定

日本では珍しいフォレストでの本格的なナイトオリエンテーリングを目指してコース設定を行いました。幅広い参加者層を見込んで難易度を4段階に設定し、リレー競技ゆえにフォーキングが必須であったため、なかなか大変でした。

百聞は一見に如かず、ですので、まずはコース図をご覧ください。

難易度は日本オリエンテーリング協会の「オリエンテーリング指導教本 初級者~中級者編」に則っています。

 

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1走 single 難易度5 優勝設定20分

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2走 easy 難易度3 優勝設定12分

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3走 run 難易度3 優勝設定30分

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4走 pair 難易度4 優勝設定25分

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5走 difficult 難易度6 優勝設定35分

(c) ヤマカワオーエンタープライズ

 

意外と簡単そうじゃんって思いました? では実際に駒ヶ根高原を夜に走ってみた動画をご覧ください。

このように山中は明かりがなく、視界が限られています。地形は見分けづらくなり、道のランクは2下がり、通常時より高度なナビゲーション能力が要求されます。コース図から受ける印象よりは実際走ってみると難しく感じるはずです。

とはいっても、動画と同じように本番でもコントロールには反射筒を設置する予定だったので、近づけばランプの光が反射して見つけやすくなります。

駒ヶ根高原の片斜面は植生も悪くないため、難しすぎずちょうど良い、ナイトオリエンテーリングには格好の場所だったのではないかと思います。

 

また、今回のコースを組む上で

  • 怪我や遭難のリスクを低減する
  • ほかの宿泊客や地域住民とのトラブルを発生させない

ことを前提としました。

 

前者の観点から、川を挟んで南側のエリアは使いませんでした。怪我の危険性が高まるため、深くなっている川の周りを避けるようにレッグが組まれています。また、道を通して川を越えたとしても迷うとなかなか道に辿りつかず、遭難時に捜索や自力での帰還が困難になるという問題があり、片斜面のみのコースになりました。(リスクマネジメントについては後述)

 

次いで後者について。ナイトリレーの会場はテレインの使用範囲と電源の関係から、クラブ7人リレーで使った芝生広場ではなく家族旅行村のケビン周辺としました。フィニッシュ周辺にある建物がケビン、その北側に点在するオープンはキャンプ場です。そして立入禁止区域となっているケビンとキャンプ場はなんと!大会関係者ではない一般のお客様が満員なのです!万が一、競技者が入り込んだ場合は即刻テレインクローズの危機に陥ってしまいます。そのため、ルートミスによって一般客のいるケビンに近づかないよう最終コントロールはケビンと反対の東側に置きました。(会場レイアウトについては後述)

加えて、南の川沿いには住宅があります。ぶっ飛んだ競技者が侵入することを避けたかったため、周辺はショートレッグにしました。そして、難易度が高い1走などには片斜面を南北に横切るロングレッグを2本は入れたかったため、ほぼ道なりの3走以外は左回りのコースになりました。

 

コースの細かい解説は私が組んだわけではないので避けたいと思います。気になった方はコース設定者のH宇津くんに聞いてみてください。

ただ、1つだけ紹介しておくとこちら。

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1走の△→1、初っ端から片斜面を横切る勝負レッグです。5走とのフォーキングになっています。縮尺1:7,500なので、そこまで長いレッグではありませんが暗闇の中で戸惑わずに直進やコンタリングを維持できるか問われます。

試走では各々別のコースを走るため基本的にひとりぼっちで少々さみしかったですが、本番は40名を超えるマススタートですから絶対楽しかったはず!

 

大会コンセプト

そもそも何故こんな大会を開こうと思ったか。

私が最初の大会運営を終えた直後、昨年4月頃からつらい卒業研究が始まったこともあり、

  • 競技会というよりイベントをしたい
  • 演出に凝りたい
  • ナイトOしたい
  • 酒を飲みながら観戦したい
  • 運営だけじゃなく参加もできる複数日大会をしたい
  • というか誰もやらなそうな大会をやりたい

などとゼミ中に妄想が捗っていました。

導き出された結論は「土日でナイトも含めて2日間3レースの大会。レースごとに責任者とスタッフを置き、運営しないレースには参加できるようにする。ナイトはリレーにしてスクリーンとプロジェクターを使って演出を行う。フィニッシュしたら酒を片手にスクリーンを見ながら応援&観戦」。天才か。ぼくのかんがえたさいきょうのたいかいだ。

 

ということを昨年11月の全日本スプリント打ち上げで話したところ、やったら?といった感じになり、その後、別の大会案を持っていたF村さんと、面識がないにも関わらずナイトリレーに興味を持ってくれたH宇津くんとともに話を進めました。

トータスですから八ヶ岳周辺でやろう、前年のインカレでリメイクされた「富士見の森」と「富士見高原リゾート」を使いたいな~と思案していたところ、インターハイで使うことが発覚。そのため、駒ヶ根で開催予定であったクラブ7人リレーとコラボさせていただくことになりました。

当初の想定とは違いますが、大変有り難いことに希望がほとんど叶いました。ありがとうございます。ちなみに酒に関しては「フィニッシュで樽酒配りてぇ」などと妄想していたのですが諸々の事情で断念しました。いつかやります。

 

youtu.be

ユッコラみたいな大会を開きたい。

 

安全対策

フォレストでのナイトOは前例が少ないため安全対策は悩みました。ハセツネOMMなどオリエン以外の競技規則、JOAの『ナヴィゲーションスポーツのための安全ガイド』を参考にしたり、経験者に話を伺ったりして、以下6段階の方策を取りました。

  1. 危険な場所に近づかず、迷ったら道を辿って戻れるようなコースを組む。
  2. 道に迷った競技者が助けを求められるよう救護所を明るく照らす。
  3. 緊急時に競技者が使えるように笛の携行を義務付け、出走前にスタッフが確認する。
  4. 緊急時に助けを求められるように笛やランプの使用法をプログラムと地図裏面に書く。通信機器の携行を推奨し、地図裏面に緊急連絡先を大きく明記する。
  5. 緊急連絡先(電話番号、続柄)の提出を義務付ける。
  6. 競技者自身がリスクマネジメントできるように、プログラムでJOAの『安全ガイド』やシマノの「緊急連絡先カード」といった情報を提供する。

 

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プログラムの注意事項

 

実際にレースを行っていないので評価はしづらいですが、十分に準備できていたのではないかと考えています。

ただ、当時の私は「緊急連絡先」の意味合いを理解しきれていませんでした。他では通例のようだが何故聞くのか、緊急時に病歴やアレルギーを緊急連絡先に確認するのか、どこまで有用なのだろうかと。その答えの一つは前述のJOA『安全ガイド』に書かれていました。

6.事後対応

不幸にして事故が発生し、それが重大なものである場合、救急行為はもちろん、主催者にはそれに対する様々な対応の必要が生じる。

6.1 連絡(救急、関係者(親族)、警察)

救急への連絡は当然として、家族・親族等関係者への連絡を早急に行なう。

6.2 誠意ある対応

何が「誠意」かは難しい問題だが、けがに対する応急処置、必要に応じて病院や救急車への連絡などを行う。また、事故の原因が主催者にある場合には、見舞いや謝罪などもできるだけ早く行う。もちろん、上記したようなトラブルを事前に防ぐ最大限の努力は、誠意の本来の姿である。主催者がいい加減な気持ちでなく、誠意を持って参加者へのリスクをコントロールしたという事実は、不幸にして事故によって犠牲者が出た場合に、残された遺族の後悔を最小限にすることにつながる。 

加えて、後日とある方に同じ疑問を投げかけたのですが、「緊急連絡先となっていた家族や友人が死に目に立ち会えるかもしれない。それによって主催者に対する印象は変わる。社会からの評判を守るのもリスクマネジメントに含まれる」とのお答えを頂きました。目から鱗が落ちた瞬間でした。

 

JOA『安全ガイド』は11月の改訂により、リスクアセスメントに関する項目が追記されています。リスクを特定、分析、評価する方法論が示されており、リスクマネジメントが格段にしやすくなりました。2日前に行われたリスクマネジメント講習会の資料も同様に役立つはずです。前例のない大会だけでなく、すべての大会・練習会運営者の方々は目を通してもらえればと思っています。

 

会場レイアウト

会場レイアウトにも頭を悩ませました。会場となるケビン周辺は狭いだけでなく日没後にはかなり暗くなります。加えて一般のお客様が近くに宿泊しているため、参加者の動きを確実にコントロールしなければなりません。

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テーブルのあたりがフィニッシュ・チェンジオーバーゾーン。北側から道路を挟んで撮影。

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日没後の様子。少々極端に写っていますが暗いのは伝わるかと。

 

そこで狭さと暗さを逆手に取り、演出の観点も踏まえた劇場型レイアウトを構築しました。

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会場レイアウト

まず、一般の宿泊客がいるケビンやキャンプ場に参加者が近づかないようにケビンの間にテープを張り巡らしました。これは参加者を狭いところに密集させ、会場の一体感を作り出す狙いもありました。

なおかつ、大量に調達したスポットライトを会場各地に設置し、フィニッシュ・チェンジオーバーゾーン周辺を明るく照らしました。一方で、荷物置き場となる林には最低限の明かりしか届かず基本的に暗がりとします。さらに、道を挟んで南側のケビンに演出に用いるスクリーンを複数台設置することで、明るいだけでなく、移動せずとも競技の動向がわかるフィニッシュ周辺に参加者が自然と集まるように画策しました。

こちらはフィニッシュバックアップのテスト撮影動画です。フィニッシュ南側のケビン高所からフィニッシュを見下ろすような形で撮影してあります。車があるので大会当日とは異なりますが、競技者がフィニッシュへ向かう流れが想像できるかと思います。また、最終コントロールから現れた競技者の顔とナンバーカードが見分けられるようにスポットライトを調整する予定でした。

次走者は誘導に従い辿って南西の森、動画でいうと左端に消えていくことになります。実はスタート誘導として100mほどの赤と白のLEDテープを用意していました。光り輝くテープ誘導を辿り、暗闇に包まれた森へ。いやぁ、テンション上がったと思いますよ。

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白色ライトテープ誘導の一部。これも演出。

 

演出

演出!それはインカレでしか見られないものっ!

とか言うと怒られそうですが、実際に演出を凝った大会は珍しいですよね。参加者の需要もなければ運営者のリソースも足りないので誰もやらないのでしょう。基本的にはオリエンの大会にはレース目的で行くわけですから。

 

だから私は演出が好きですヾ(๑╹◡╹)ノ"

演出をする上では「誰に」「何を」「どのように」見せるのか(聞かせるのか)が肝要になります。例を挙げてみます。

 

インカレロング2016@前高原

誰に: 一般クラス参加者(学生)、併設クラス参加者(OBOGなど)

何を: 選手の頑張りや競り合い、優勝決定の瞬間

どのように: 速報ボード、実況、大型ディスプレイでの写真掲示、会場内のフィニッシュ、インタビュー

第35回筑波大大会 スプリントリレー@森を駆ける恋人達

誰に: まだ出走していない参加者、既に次走者に継走した参加者

何を: チームメイトの頑張り、競技中の選手、順位

どのように: スペクテーターズレーン、大型スクリーンでの速報、ディスプレイでの動画中継

第8回全日本スプリント@信州スカイパーク

誰に: A決勝に出場しない参加者

何を: 競技中の選手の姿、選手のデータと生の声、順位変動

どのように: 会場内のコントロールとフィニッシュ、大型スクリーンでの選手紹介や速報、実況、インタビュー、チャンピオンシート

 

このように演出は選手権クラスやリレーと相性がいいことがわかります。

では今回どうするか。

 

まず「誰に」は自明でした。会場でチームメイトの帰りを待つ参加者です。リレーに限ったことではありませんが、オリエンテーリングは会場での待ち時間が長い傾向にあります。そこで、競技中以外の暇な時間も演出で楽しく過ごしてもらおうと考えました。

また、5人リレーだったのはまとまった待ち時間を作る狙いもありました。2人や3人では継走で慌ただしく、チームメイトの応援やトップチームの観戦を落ち着いてできないと考えたためです。

 

一番の難問は「何を」見せるか(聞かせるか)。

コースや会場の制約上ビジュアルを設けなかったため、前走者接近情報は前述のスクリーンで告知予定でした。これらの速報と合わせて、選手・チーム紹介やインタビューを行えばトップチームの競り合いを見せることができます。しかし、チェンジオーバーのタイミングが集中するため、全体的に間延びしてしまう恐れがありました。

 

悩んだ末に辿りついた答えがゆるふわな演出でした。

そもそもインカレや全日本のようなかっちりした演出を意識しすぎていたが、後夜祭みたいなノリでいいんじゃないか、参加者に雰囲気をゆるく楽しんでもらえたらいいのではないかと考えたのです。

そこで、O塩くんが「どのように」見せるか(聞かせるか)を含めて、以下のような演出プランをまとめてくれました。放送系をメイン、映像系をサブとしてゆるい感じで話を進めていく、日本では類を見ない演出になる予定でした。

 

テーマ

  • 「音」で楽しませる演出

実況や解説、インタビューなどの放送系を演出の要とする。

  • ナイトならではの「夜のノリ」で観戦

テレビの副音声のような感覚で聞ける放送を行う。

放送系

  • 実況と解説で多角的な放送

レース展開を伝える実況と、選手情報に寄った解説の掛け合い。合間にはS穂さんとY城さんが酒を片手に雑談を挟んでいく。

  • 選手の息遣いを感じるインタビュー

フィニッシュ直後の選手の声を即インタビュー。

映像系

  • レース状況のリアルタイム更新

オンラインコントロールの通過情報をスクリーンに逐次表示。

  • 注目選手の紹介

解説と連動して注目選手の所属や実績をスクリーンに表示。

 

ちなみに、1走など序盤のコース図をレース途中にスクリーンで公開して解説する案も上がったのですが、勝負レッグが後半のフォーキングに含まれており、競技性が失われてしまうためボツになりました。

 

スクリーンやプロジェクター、ワイヤレスアンプの位置、電源の配線なども決めていき、これで大丈夫と思ったのも束の間、想定外の事態が発覚しました。

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ウルトラマンの八つ裂き光輪をはね返すバルタン星人二代目

ではなくプロジェクターの向きとスクリーンの位置を検討している様子

 

Mulka 2の大型スクリーン速報のリアルタイムモードをスクリーンに映すことで前走者接近情報を告知するつもりだったのですが、テストを重ねるうちに同一のリレークラスではトップが新たな中間かフィニッシュを通過すると、それ以前の中間情報が表示されなくなることに気付いたのです。

 大型スクリーン速報についてはMulka 2 マニュアル 実況・演出の「成績等の大画面表示」をご覧ください。

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今回のオンラインコントロールの通過の最速予想は上図の通り。このままいくと上位の数チームを除き、前走者接近情報が確認できません。どうすんだこれ。読み上げるとしても団子で帰ってきたらちゃんと伝わる気がしない。

 

おそらく読者の大半は何を言っているのかわからないと思いますが、衝撃的かつ競技不成立になりかねない事態でした。Mulka 2なら何でもできるでしょ!wなどと高を括り、ちゃんと確認しなかった罰が下ったのです。めっちゃ焦った。担当のK森くんは目が死んでいた(らしい)。

しかし翌日には解決策を思いつきました。Mulka 2の実況レポートビューを見ながら、各通過時刻をGoogle スプレッドシートにひたすら手打ちしていくという力技です。このスプレッドシートを正規チームとオープンチームに分けてスクリーンに移せば、接近情報だけでなく順位が一目でわかります。

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といった感じで何とか演出の準備は進んでいきました。

 

そして大会中止へ

普段よりRTが多く、複雑な気持ちになりました。

 

TORTOISE NIGHT RELAYが開催されるはずだった2016年9月18日。

日中は土砂降りに時おり小雨が混じる不安定な天気だったと覚えています。

クラブ7人リレーで同期チームの1走を走った私は、すぐさま拠点であるケビンに戻ってシャワーを浴びました。寒いなあ、でも天気はよくなるだろうと楽観視。Mulka 2のデータをチェックしていると時間は過ぎていきました。途中でI澤さんとY城さんに大会やるの?と聞かれましたが、やります~とか呑気に答えました。

14時台だった気がします。N本さんから大会を開催するか中止するか考えたほうがいいのではと言われました。外を見ると雨は弱まるどころか依然として叩きつけるように降っています。恥ずかしながらそのとき初めて「中止」の可能性を考えました。また、「○ーパーは雨でも走ると言っている」とも聞いて感激したのを覚えています。

16時に開催の有無を発表すると決め、クラブ7人リレーの会場でアナウンス、Twitterでも告知しました。16時に雨脚が弱まっていなかった場合は中止にするつもりでした。

GPV 気象予報などを見ましたがどうも雲行きはよくない。どうしようか。

 

そして、16時。中止にしました。

中止にしてから現時点で3ヶ月経ちましたが悔しいとか残念だとかいう気持ちは未だ湧いてきません。実感がないのです。そもそも、しなかったことを実感するのは難しいのかもしれません。

コースは楽しんでもらえたのか、安全対策は機能したのか、会場レイアウトは無理がなかったか、演出はうまくいったのか。いずれも趣向を凝らしましたが、実際に大会を開かなければわからないことです。だから、強いて言うならば施策に対する感想が聞きたかったなあと思います。おそらく。

 

あと、気付いたことがありまして、周りの人たちに恵まれているなってことです。私一人では当然大会は開けませんでした。中止を考えに入れることができなかったかもしれません。また、開催するか中止するかの判断を私に委ねていただきました。その判断に何も言わず、黙々と片付けをやっていただきました。ありがとうございます。私一人で成しえない多くのことができました。チームやクラブなど複数人で取り組む意義はここにあるのだと思います。言っていることが陳腐ですが、実感したのです。忘れないうちに書いておこうと思いました。

全日本やインカレというタイトルを背負っているわけでも毎年恒例で開いているわけでもない大会に20名を超える方々がスタッフとして動いていたのは、有り難い限りです。

それはもちろん参加者の皆様も同じです。ともすれば得体のしれない大会にエントリーしてくださり本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。嬉しかったです。

 

蛇足

という辛気臭い記事があってもよいかと思ったのですがいかがでしたか?

最後に、今までの流れで書き損ねた細かいことを列挙していきます。

  • 2走は難易度3のため線状特徴物しか使えず、コース設定が大変でした。優勝設定は要項より3分縮めて12分に変更になっています。
  • 1人で夜の森に入るのが怖い人を対象に4走のみ伴走を認めました。エントリー時点では35チーム中9チームが伴走あり。需要はあったと言えるのでしょうか。
  • 要項に載っている空の色は天文シミュレーションソフトで割り出しています。ただし、わかりやすいよう実際の色から調整して要項には載せています。

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マススタート時刻18:50の西の空

ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ

  • 喫茶店でミーティングしていると個人の出費が嵩むので、大会会計で貸し会議室を使ってみました。ホワイトボードを使えて、ほかに人がおらず、場所によっては飲酒もできるので便利です。あれ、でも酒を飲んだら出費は変わらなかったのでは。
  • A5のフライヤーをJOAニュース2016年7月号に同封しました。効果は果たしてあったのだろうか。

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  • ヘッドランプで文字が書けます。

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  • 会場で参加者にばら撒くはずだったサイリウムは即刻消費されました。

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ということでTORTOISE NIGHT RELAYの裏話でした。

長文お読みいただきありがとうございました。

 

宣伝

個人的リベンジとして有志で「ナイトスプリントリレー」を来年2月26日(日)に埼玉県上尾市にて開催します。林を含んだパークテレインなので、気軽にナイトOが楽しめます。さらに日本初?のタッチフリーSIを用いたスプリントリレーです。3人チームで、1人あたりの参加費はSIACレンタル料金を含めて一般2,000円、学生1,500円、高校生以下1,000円と安く抑えています。もちろん演出も凝ります!

要項は今年中に出します。興味のある方はぜひ!ご参加お待ちしております!